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「行ってらっしゃい」

小さい時からずっと、忙しくても出来るだけ玄関でお見送りをするようにしているので、子供たちは高校生になった今も玄関から私に声をかける。



お弁当を作り、朝ご飯の支度をし、その片付けをしていると、娘が呼ぶ。


「ままーー、行くよーー」


我が家のリビングは2階にあるので、私は手を止めて1階へ下りる。階段を5段下りて曲がったら、玄関が見える。私は階段の途中に座って娘を眺める。



娘が靴下をはき、ハンカチを取り出している。


ふと見上げる娘の顔。


最近は鏡の前にいる時間が長くなり、髪もアイロンで巻いていたりするけど、今日はストレートにしたんだね。かわいいよ。


先日一緒に作ったバレンタインのお菓子、まだまだ「本命」のチョコレートケーキか何かを作る感じではなく、チャーリーブラウンの顔を書いた特大マカロンとクッキーを持って、娘が登校する。


お友達の一人はお兄さんが発熱し、コロナの疑いもあるのでお休みすると連絡があったけど、他のお友達には今日学校で渡すのだと言う。




「行ってきまーーす」


玄関から元気に出ていく娘の姿を眺めていると、ココロが暖かくなり、思わず笑みがこぼれた。


一緒にお菓子を作ることも、そのお菓子を持って嬉しそうに登校する娘をゆっくり眺めることも、ひとつひとつがとても有難いことに思えた朝。


今日も良い1日でありますようにと、娘を見送った。


 


いつも「今日帰ったら家にいる?」と聞く娘。


夜中にバイトから帰ってきても小さい声で「ただいまー」と言う息子。


その成長をすぐ近くで見られることに感謝、ありがとう。






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